血液腫瘍内科
前期研修
血液腫瘍内科研修の目的
東海大学医学部内科学系血液腫瘍内科は日本血液学会認定研修施設であり、これまでに多くの日本血液学会認定血液専門医を養成し、血液専門医が臨床の現場において診療ならびに研修医の指導にあたってきました。
前期研修プログラムでは、血液専門医を指導医とするチーム医療体制のもとで、血液疾患の入院患者を担当し、血液内科学に関する知識と技術の基礎を身につけることを目的とします。
血液腫瘍内科研修の特徴
血液腫瘍内科は独自性のきわめて高い領域であるため、各症例について診断から治療まで終始一貫して担当医として経験できる事が特筆すべき点です。これは骨髄移植をはじめとする造血幹細胞移植症例に関しても同様で、血液内科医が移植医療の主役を担っています。
さらに、急性白血病などの全身管理を要する症例が多いため、科の枠を越えた総合的な診断・治療技術を身につけることができます。その経験はその後のローティションではもちろんのこと、前期研修を修了して様々な科へ進んだ際にも広く活用できると高い評価を受けています。
また、周辺地域の住民100万人の血液診療を支えていると推定され、症例も豊富であり、様々な血液疾患症例を短期間で経験することが可能です。そのため、内科専門医の申請に必要な規定の症例は、血液はもちろん、他領域にまたがる例も経験することができます。血液・腫瘍内科学の研修は臨床腫瘍学で基礎であり,将来臨床腫瘍専門医を目指す研修医にも必須です。
血液腫瘍内科研修プログラムの概要
2ヶ月の研修期間のうち、前半は「基礎練成プログラム期間」として、血液・腫瘍内科に関する診断・治療の基礎知識を身につけます。同時に、指導医による骨髄採取や化学療法などの手技の介助を体験して診断・治療技術の基礎についても学びます。研修の後半は「発展プログラム期間」として、前半の研修をもとに指導医のもとで実際に骨髄採取や化学療法、移植療法などを経験して、生きた知識・技術として血液・腫瘍内科の基本を身につけます。
2年目の研修期間における具体的な経験目標は以下のとおりです。
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血算の読み方を学び、血液疾患診断のプロセスを理解する。
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骨髄穿刺・生検を実施し、骨髄スメア標本を観察して診断のプロセスを学ぶ。
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血液悪性腫瘍症例を経験して化学療法の基本を理解し、副作用の管理を行う。
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免疫不全状態にある患者の全身管理を行なう。
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輸血学の基本を理解する。
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希望により造血幹細胞移植症例を経験する。