循環器内科
後期研修
東海大学循環器内科の特徴は、非常に幅広い疾患・治療を多くのエキスパートと共に経験することで、どの分野においても豊富な経験および教育の機会が得られることにあります。急性期疾患のインターベンションが大好きな先生、落ち着いて慢性期疾患の薬物療法を極めたい先生、侵襲的な検査・治療(カテーテル検査・治療など)を学びたい先生、非侵襲的な検査・治療(心エコー・CT・MRIなどの画像診断および薬物・心臓リハビリ治療など)にじっくり取り組みたい先生、あらゆるニーズに対応しております。また、国内国外の最先端での活躍を目指す先生、総合病院で臨床をバリバリやりたい先生、また将来開業医としての地域医療に取り組みたい先生、すべてのパターンでの活躍をサポートします。
臨床研修の特徴
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心臓カテーテル治療(インターベンション)のメッカ
伊苅教授赴任以来、最先端のカテーテル治療技術の導入とともに、様々な新しい治療技術の開発の試みも行われています。Ikariカテーテルは、橈骨動脈アプローチの際に用いられる伊苅教授が開発したカテーテルで、世界特許を取得して、広く世界的に使用されており、国内はもとより世界各国から伊苅教授の下へ見学者が訪れています。
血管内超音波等の画像解析を用いた臨床研究、細いカテーテルを用いた超低侵襲治療、血管分岐部病変に対する新しい治療法の開発、慢性完全閉塞病変に対する様々なテクニックなど冠動脈インターベンションの領域では、多くの臨床研究、多施設共同研究が行われ、最先端の知見を国内学会はもとより、ヨーロッパ心臓病学会(ESC)、アメリカ心臓協会(AHA)、アメリカ心臓病学会(ACC)、国際インターベンション学会(TCT)、など国際学会で毎年発表して論文化しております。当科での後期研修では、このように最先端の臨床に携わることができ、国内・海外学会での発表の機会も与えられています。
また、頸動脈ステント、閉塞性動脈硬化症などに対する末梢血管治療の分野でも最先端の治療を行っており、血管内科としての研修も出来るようになっています。
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全国屈指のストラクチャーハートセンター・ハートチーム
カテーテルを使用した弁膜症治療、心房中隔閉鎖術、左心耳閉鎖術、閉塞性肥大型心筋症や慢性肺血栓閉塞症に対するカテーテル治療など、様々な治療を経験できます。
経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)は2017年より開始しており、年間150例程度の治療実績を誇っており、十分な教育環境が整っております。国内の多くの施設から当院のTAVIやMitraClipの見学に来てもらっております。
国内外で指導経験豊富な指導医が直接指導致します。他、MitraClipを使用する経皮的僧帽弁形成術の領域でも国内をリードし、現在、経カテーテル僧帽弁置換術(TMVR)、経カテーテル三尖弁形成術(TriClip)及び三尖弁留置術(TVR)の国際治験にも参加しており、この領域を牽引しています。我々の一番の強みは風通しのよいハートチームです。循環器内科、心臓血管外科、麻酔科、そして多くのコメディカルと力を合わせて患者さんにベストの治療を提供する東海スタイルにきっと皆様も感動すると思います。
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国内随一の心血管病理ラボ
当科の強みの一つとして、心血管病理ラボの存在が挙げられます。現、近畿大学循環器内科主任教授である中澤 学先生が開設したラボでは、冠動脈、下肢動脈、弁膜症と循環器内科が関与する様々な部位の検体を収集しており、その膨大な検体を用いて研究を行っています。
動脈硬化の原因、病態に迫る事で新規薬剤、デバイス開発のきっかけになる事は当ラボの大きな目標の一つですが、病理の視点から実臨床での様々な現象を考える事で、血管内イメージングデバイスの深い考察、弁膜症や下肢動脈の病態の理解とその予防法の考察など、臨床力の向上にもつながると考えています。
また、国内外様々な企業との共同研究を通じて、薬剤溶出性ステント、生体弁、下肢動脈用の薬剤コーテッドバルーンなどの心血管デバイスの開発、改良を行っています。実臨床に使用できる前の状態の心血管デバイスが動物実験を通じて改良されていき臨床試験までつながるようなケースを経験できるのも当科の後期研修ならではです。デバイス開発に理解のある伊苅教授の多大なサポートの下、日々楽しく研究を行っていますので興味がある方は是非一度見学に来てください。
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症例豊富な不整脈診療
不整脈の領域でも、神奈川県県央部、西部の基幹施設としての役割から、多彩な症例、豊富な症例数を経験できます。多くの後期研修医が一定期間、不整脈グループに所属することにより、電気生理学的検査(EPS)、カテーテルアブレーション、ペースメーカー植え込み、植込型除細動器(ICD)植え込み、心臓再同期療法(CRT)などに携わり、基本的診断手技の習得が可能となっています。また、不整脈分野の臨床研究においても国内有数の実績があり、また、臨床のみならず基礎的な研究でも国際学会での発表等最先端の医療に触れることができます。
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あらゆる心不全治療・管理を東海の誇る多職種心不全チームと共に経験
高齢社会、そして長寿の国日本は、現在心不全パンデミックと言われるほど心不全患者が増えており、大学病院、総合病院、クリニック、どの環境においても心不全治療は必須となっています。東海大学病院は、全国で28箇所のみである脳卒中・心臓病等総合支援センターにも選抜され、ますます心不全治療における中心的な役割を担っていく予定です。心不全の原因となる虚血性心疾患、弁膜症、心房細動、心筋症などの管理とともに、心不全の薬物療法、非薬物療法(MitraClip治療、両心室ペースメーカー)、心臓リハビリ療法など多岐にわたる心不全治療の醍醐味を経験することができます。また、心不全専門看護師、理学療法士、栄養士などからの多面的アプローチが心不全治療に重要ですが、当院では積極的に介入してくれるメディカルスタッフが多く在籍し、多職種心不全チームにて幅広くを学べる環境にあります。こういった背景から2021年1月より心不全に特化したチームを立ち上げ、急性心不全の対応、慢性心不全に対する新規薬物導入、さらには末期心不全に対する心不全緩和ケアまで、多職種でアプローチしております。こういった心不全診療の醍醐味も学ぶことが可能です。
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心エコーを中心とした画像診断を学ぶ
画像診断は日進月歩で進化しており、心エコー検査、心臓・大血管のCT・MRI、さらには核医学検査、PET-CT検査など疾患のバラエティーに勝らぬとも劣らない画像診断を経験できます。もはや、心臓血管診療において、適切に診断するためには、これら最新の画像診断技術を駆使する必要があり、当院では画像診断のエキスパートのもと、多くを学ぶことができます。特に心エコー検査については、経胸壁・経食道心エコー検査、心腔内心エコー検査などをかなりの件数施行しており、診断のみならず、経カテーテル弁膜症治療の術中ガイドにも大きく貢献しています。
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多くの臨床研究・基礎研究を経験
虚血性心疾患に対するカテーテル治療、経カテーテル弁膜症治療、不整脈診断・治療、心不全関連の臨床研究に積極的に取り組んでおります。国内多施設研究はもとより、海外施設との多施設共同研究も活発に行っております。
血栓止血領域では、世界的権威の後藤教授の指導のもと、基礎的研究、大規模臨床研究にも携わることができ、大学院生でも意欲的に取り組むことで一流雑誌へ論文が掲載され、国際的にも高く評価されています。
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多種の専門医取得が可能
日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、日本不整脈学会専門医、日本超音波医学会専門医、日本心エコー図学会専門医、日本脈管学会専門医が多数在職しており、当科で研修することで症例経験数を蓄積させて、上記専門医取得への進むことが可能となります。
病棟業務は完全チーム制で行われ、准教授あるいは講師の経験豊富な医師を各チームのリーダーに配し、日常診療を絶えず教育的に行い、責任の所在も明確にしています。
3-4年間で、教育カリキュラム(後述)の到達目標の達成を明確に目指します。
特殊技能習得希望者には、基本技量を見極めた上、心臓血管カテーテル治療コース、不整脈アブレーションコース、心血管画像診断コースへ進むことも可能です。
各種カンファランス(入院患者、外科合同、カテーテル治療、不整脈、心不全、抄読会など)が充実しており、各種学会発表活動を積極的に進めています。症例報告、臨床研究の発表指導、論文作成のバックアップを十分に行います。
マルチスライス(256列)およびPhoton-Counting CT、心臓MRI (3テスラ)、各種核医学検査など、最先端の循環器画像診断機器を有し、放射線科専門医との良好な連携により、次世代の臨床研究を行える環境にあります。
3-5年目の到達目標
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専門医受験に必要な代表的循環器疾患、手技を経験する。
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各循環器疾患の病態を理解し、診断と治療を入院および外来で実践する。
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循環器疾患に必要な薬剤の知識を理解し、病態に応じて使用できる。
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循環器疾患の画像の知識を習得し読影および診断する。
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心電図、ホルター心電図を読み、適切な指示が可能になる。
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経胸壁および経食道心臓超音波検査の技術を習得する。
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弁膜疾患を含む心不全の病態を理解し、補液管理と薬物治療を実践する。
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心臓カテーテル検査の技術を習得する。
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経皮的冠動脈形成術・経皮的末梢血管形成術の技術を習得する。
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心臓電気生理学的検査の技術を習得する。
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ペースメーカー植え込みの技術を習得する。
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前期研修医ならびに医学部学生の指導をする。
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論文の作成(和文、英文)と学会発表(国内、海外)を行う。