脳神経内科
脳神経内科の紹介
科の構成
教授/2名 准教授/2名 講師/1名 助教/5名 臨床助手/2名 大学院/0名
出向先・関連病院
東海大学医学部付属八王子病院
徳洲会湘南大磯病院
国立病院機構 箱根病院
伊勢原協同病院
池上総合病院
認定医/専門医、指導医の数(出向先・関連病院等も含めた合計)
メインスタッフ
永田 栄一郎(ながた えいいちろう)領域主任・教授
日本内科学会認定医・指導医
日本神経学会専門医・指導医
日本脳卒中学会専門医・指導医
日本頭痛学会専門医・指導医
安部 貴人(あべ たかと)教授
日本内科学会認定医・指導医
日本内科学会総合内科専門医
日本神経学会専門医・指導医
日本脳卒中学会専門医・指導医
日本認知症学会専門医・指導医
大貫 陽一(おおぬき よういち)准教授
日本内科学会認定医・指導医
日本神経学会専門医・指導医
日本脳卒中学会専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会専門医
水間 敦士(みずま あつし)准教授
日本内科学会認定医・指導医
日本内科学会総合内科専門医
日本神経学会専門医・指導医
日本脳卒中学会専門医・指導医
日本頭痛学会専門医
日本認知症学会専門医・指導医
日本脳神経超音波学会脳神経超音波検査士
今関 良子(いまぜき りょうこ)講師
日本内科学会認定医・指導医
日本内科学会総合内科専門医
日本神経学会専門医・指導医
日本脳卒中学会専門医・指導医
日本頭痛学会専門医
日本認知症学会専門医・指導医
診療体制
脳神経内科は、脳血管障害、神経変性疾患、神経免疫疾患、神経感染症、認知症、末梢神経障害、筋疾患、頭痛やてんかんなど神経内科領域の疾患を幅広く扱っており、昨年の入院患者数は、691名 (本院のみ)でした。中でも、脳血管障害については超急性期の血栓溶解療法や、血管内治療などの最先端の医療が行われ、伊勢原および八王子病院は我が国の医療機関としての最高評価(トリプルA:日経メディカル調べ)を受けています。パーキンソン病については最新の薬物治療に加えて、難治性の症例に関しては深部脳刺激療法(DBS)、レボドパカルビドパ経腸療法(LCIG)などの治療法も導入してります。認知症に関しては、県の認知症疾患医療センターの指定を受けており、物忘れ外来を認知症専門医が診療にあたって地域の他医療機関との連携を図っています。
伊勢原の病棟診療は、講師以上のスーパーバイザーのもと、助教、臨床助手および研修医が一つのチームを作り、研修が行われています。また、疾患ごとの専門外来を設けており、より深く各疾患につき研修できる場を設けています。さらに画像カンファレンス、症例検討会、教授回診などで、臨床における教育的指導をするだけでなく、リサーチカンファレンス、抄読会などを毎週行い、各自の研究進捗状況や、最新の知見などを共有しています。また、経験した症例などにつき日本神経学会関東地方会や日本内科学会などの学会での発表の機会を設け、それに対する指導や、その後の論文作成などについてもきめ細かく指導できる体制が整っております。
八王子、大磯の各付属病院でも伊勢原と同様に専門スタッフが在籍し、チーム医療を中心に充実した教育指導を行っており、臨床助手研修後も引き続き神経内科診療を勉強できる環境が整っています。
教育体制
東海大学脳神経内科では、脳血管障害、神経変性疾患、神経免疫疾患、認知症、神経感染症、末梢神経障害、筋疾患や頭痛、てんかんなど神経内科領域の疾患を幅広く扱っており、大学病院の脳神経内科としては日本有数の症例数を誇ります。中でも約半数を占める急性期脳血管障害に関しては、血栓溶解療法、血管内治療を始めとする最新の医療が行われています。豊富な症例数、設備、指導医の三拍子が揃っていることから、当科での研修は神経内科専門医を目指す上で極めて有効です。さらに各専門医の指導の下に脳血管撮影、脳血管内治療、筋電図、脳波、経食道心臓超音波、パーキンソン病外来、頭痛専門外来、認知症外来、遺伝カウンセリング外来、筋生検、神経生検などの専門的な研修もうけることができます。
また、八王子、大磯の各付属病院でもハイレベルな診療を行っており、大磯病院および八王子病院は地域の急性期中核病院として、東京病院は首都圏向けの窓口として、活動しています。いずれの病院とも各学会の教育施設ないし教育関連施設に認定されています。希望により関連病院である池上総合病院・横浜旭中央総合病院でも同様に急性期疾患を多く経験することができ、さらに国立循環器病センターへの国内留学や、University of California, San Francisco(UCSF)への海外留学も可能です。一方、箱根病院では、筋ジストロフィーなどの神経筋疾患や神経難病など、希少疾患を診療することができ、希望に応じて筋電図の研修を受けることができます。
研究体制
現在、講師、助教のみならず、大学院生、臨床助手も含めた研究グループを作り、研究活動を行っています。
永田教授の片頭痛、イノシトール・リン酸の基礎的研究、安部教授・水間准教授を中心とした脳血管障害における再生医療・創薬の研究や、さらに大貫准教授を中心とした脳梗塞急性期の血管内治療など、新たな治療法の開発などの基礎研究から臨床研究まで幅広く多岐にわたる疾患を対象に研究を進めています。また、神経内科は東海大学総合医学研究所と密接な関連があり、かつ総合大学である東海大学の利点を生かし、他大学では困難な、他科・他施設との共同研究も盛んで、各チームの研究課題・成果は、毎週行われるリサーチカンファレンスにて討論され、さらに日本神経学会、日本脳卒中学会、日本神経治療学会、日本頭痛学会、日本認知症学会、日本脳循環代謝学会、日本神経免疫学会、国際脳循環代謝学会、国際頭痛学会、世界神経会議、国際人類遺伝学会、北米神経科学会などで発表し、主に英文論文にまとめています。
特に脳血管障害に関する研究では、基礎の研究室(再生医療科学)や東海大学工学部との共同で、新たな脳梗塞治療の試みとして血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cell: EPC)を含む再生アソシエイト細胞を用いた再生医療の研究を行っています。現在マウス脳梗塞モデルにて基礎実験を行っておりますが、臨床研究として、脳梗塞患者を対象に自己再生アソシエイト細胞を脳梗塞患者に移植することにより、脳梗塞の機能的・器質的改善を追求する画期的な脳梗塞治療が、まさに始まりつつあります。さらに脳内血管の形成不全によるモヤモヤ病に関する病因および治療に関して、この再生アソシエイト細胞による研究が成果をあげつつあります。その他に脳虚血における炎症制御に関する研究として、脂質代謝に関連するPCSK9(Proprotein convertase subtilisin kexin 9)阻害を介した脳保護効果の検証を目的とした基礎研究を進めています。
イノシトールリン酸の研究では筋萎縮性側索硬化症(ALS)との関連を中心に東京都医学総合研究所、神戸大学、海外ではJohns Hopkins大学やロンドン大学と共同研究を行っています。
片頭痛の研究では、片頭痛発症遺伝子の解明を東海大学総合医学研究所や国立遺伝学研究所、金沢大学などと共同で行っています。また、様々な片頭痛薬に関する臨床研究も行っています。
神経免疫疾患に関しては、全国的にみても神奈川県は非常に患者さんの数が多く、また、診断・治療に関しては、かなり専門性が必要なために非常に多くの患者さんが来院されます。特に、多発性硬化症や視神経脊髄炎などの患者さんに対しては、急性期治療法として入院して、ステロイドパルス療法や再発予防のための各種DMD(disease-modifying drug)を最新の薬剤を含めて専門医が診察しております。他には、重症筋無力症の患者さんも非常に多く、ステロイド、各種免疫抑制剤や近年開発された抗体療法なども行っております。
2016年度より、University of California, San Francisco(UCSF), Department of Neurology, Yenari教授と国際的な研究促進と交流があります。
将来展望
脳神経内科のコンセプトは、「エビデンスを知り、エビデンスを発する」です。つまり神経内科領域のガイドラインや最新の文献のエビデンスを知りそれを踏まえて臨床に望むこと、更に神経再生・血管再生など先駆的分野で我々自らがエビデンスを発信することをめざしています。具体的には、当科では、急性期脳卒中というダイナミックな疾患から、神経・筋の難病といったスタティックな疾患、あるいは頭痛、てんかんなどのcommon disease まで幅広く神経疾患について研修でき、設備、指導医、症例数いずれも充実していることから、日本内科学会認定医および日本神経内科専門医の取得は若手医師の必須事項としています。さらに専門的な日本脳卒中学会専門医、日本脳血管内治療専門医、日本頭痛学会専門医、臨床遺伝専門医、日本認知症専門医などの取得も可能です。
また、学位は臨床助手のコースを選択した医師にも門戸を拡げており、特に大学院生では4年間での学位取得を前提に指導しています。
専門医取得後に、希望に応じて国内、海外留学が可能であり、神経内科のスキルを更に高め、世界の第1線で活躍できることを約束します。