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呼吸器内科

呼吸器内科の紹介

東海大学医学部内科学系 医師

科の構成

教授/2名  准教授/1名  講師/5名  助教/4名  臨床助手/3名

出向先・関連病院

東海大学医学部付属東京病院(臨床教授 1名)
東海大学医学部付属八王子病院(教授 1名、講師 1名、助教 3名、臨床助手1名)

海老名総合病院 3名

伊勢原協同病院 2名
平塚市民病院 2名 

済生会湘南平塚病院 1名

国内留学 2名(理化学研究所、東海大学マイクロナノ研究センター)
 

認定医/専門医、指導医の数

メインスタッフ

浅野 浩一郎(あさの こういちろう)教授 副病院長

日本内科学会認定内科医・指導医
日本呼吸器学会専門医・指導医
日本アレルギー学会専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医

 

小熊 剛(おぐま つよし)教授 診療科長 

日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本呼吸器学会専門医・指導医
日本アレルギー学会専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医

伊藤 洋子(いとう ようこ)准教授

日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本呼吸器学会専門医・指導医
日本呼吸器内視鏡学会専門医
日本禁煙学会認定禁煙指導医

日本がん治療認定医機構がん治療認定医

端山 直樹(はやま なおき)講師 9A病棟医長

日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本呼吸器学会専門医・指導医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医

友松 克允(ともまつ かつよし)講師

日本内科学会総合内科専門医・指導医

日本呼吸器学会専門医・指導医

日本アレルギー学会専門医

日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医

日本がん治療認定医機構がん治療認定医

滝口 寛人(たきぐち ひろと)講師

日本内科学会総合内科専門医・指導医

日本呼吸器学会専門医・指導医

日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医

日本がん治療認定医機構がん治療認定医

田中 淳(たなか じゅん)講師

日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本呼吸器学会専門医

日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医

堀尾 幸弘(ほりお ゆきひろ)講師

日本内科学会認定内科医・指導医

日本呼吸器学会専門医

診療体制

1. 東海大学医学部付属病院の特色

東海大学医学部付属病院では、各診療科には決まった数の病床がなく、空いている病床があればどの診療科の患者でも入院するため、病床稼働率は常時ほぼ95~100%です。それに加えて100床近いICU・HCU等の急性期病床が稼働して多くの急性期患者を受け入れています。これは医師、看護師やその他のメディカルスタッフ、事務系職員の間での強い連携があることの裏付けでもあります。

東海大学医学部内科学系 呼吸器内科

2. 東海大学区医学部付属病院呼吸器内科の特色

東海大学医学部付属病院の位置する湘南西部医療圏のみならず、県央(綾瀬市、座間市、海老名市など)、県西(小田原市、南足柄市など)医療圏からも多くの患者さんを受け入れています。特に多い疾患は、市中病院では診断・治療が困難な肺がん、間質性肺疾患、重症アレルギー性気道疾患(重症喘息、アレルギー性気管支肺真菌症)などです。間質性肺炎、過敏性肺炎、膠原病関連間質性肺炎については専門外来を設置しています。

3. 呼吸器内科の病棟診療チームと臨床現場からの学び

病棟チーム制:呼吸器内科には毎週20-30名の患者さんが入院してきますが、2つの病棟チーム制とし複数医師で対応することにより、個々の医師に過剰な負担がかからないようにしつつ、患者さんへの速やかな対応が可能となっています。COVID-19対応は総合内科・救命救急科との分担診療体制、夜間・休診日は他の内科診療科との合同当直体制をとっており、法定時間外労働が比較的多い若手・中堅医師でも概ね月30時間以内です。

臨床経験豊富なスタッフ:病棟チームは15年以上の臨床経験をもつチーフ1名、サブチーフ1名、患者さんの直接の担当医となる助教・後期研修医2名、初期研修医1-2名から構成されています。
若手も講師以上のスタッフも臨床が大好きなメンバーが揃っています。

 

貴重な臨床経験から得られる気づき:大学病院だけに診療や治療が難しい症例も集まってきますが、そのような症例にも最新の情報や様々な症例の経験があるスタッフが力を合わせてベストの解決策を見いだそうと努力します。こういった日々の取り組みの中で数多くの新しい発見(気づき)があり、それが新たな研究テーマにもなっています。バリエーション豊富な症例を経験できることが東海大学医学部付属病院呼吸器内科で働いていることの魅力です。
 

4. 多職種連携と在宅医療への取り組み

呼吸器内科医が担う大きな課題:急性期医療から患者満足度の高い在宅医療へスムーズに繋いでいくことは、病院に勤務する呼吸器内科医にとっても重要なテーマです。

課題解決に向けての取り組み:私たちは病棟・外来看護師、病棟薬剤師、病棟栄養士、医療ソーシャルワーカーを含めた多職種カンファレンスを週1回開催し、病棟でのチーム医療に積極的に取り組んできました。また、嚥下障害のある患者さんに対しても安易に非経口栄養に移行するのではなく、東海大学医学部付属病院が誇る嚥下障害診断・治療のエキスパート(リハビリテーション科、耳鼻咽喉科)とともに安全かつ患者さんの満足が得られる取り組みを目指しています。

在宅医療へのかかわり:在宅医療クリニックの医師との合同症例カンファレンスを年数回開催し、希望する若手医師は在宅医療クリニックでの週1回の訪問診療に実際に取り組むなど、より良い連携を目指しています。

5. 信頼できる仲間と働く

一緒に働く仲間に求められるもの:患者さんを診ることが好きで、患者さんのために何が大切かを常に考えられること、そして一緒に働く仲間を大事にできること、これだけが呼吸器内科のメンバーに求められることです。東海大学の呼吸器内科の良さはいろいろとありますが、このような仲間と働けることが最大の魅力だと信じています。

東海大学医学部内科学系 呼吸器内科

教育体制

1. 多様な呼吸器疾患を診ることが出来るハイブリッド型の大学病院研修

Common diseaseから難治性肺疾患まで:一般に大学病院の呼吸器内科では肺がんをはじめとする呼吸器腫瘍と間質性肺炎などの難治性肺疾患が入院患者の大多数を占め、一方で市中病院の呼吸器内科で研修すると肺炎や気管支喘息、COPDなどのCommon disease患者を診ることが多くなります。東海大学医学部付属病院での呼吸器内科研修ではその両方を診ることができるよう、神奈川県央部・西部の呼吸器疾患診療の拠点として難治性肺疾患が集中し、かつ救命救急センターや大規模ICUを備えて急性期疾患を多数扱っている付属病院(伊勢原)と、地域に密着した市中病院としての機能を併せ持つ付属八王子病院、海老名総合病院、伊勢原協同病院、平塚市民病院での研修を組み合わせて行います。

外来診療スキルを磨く:呼吸器内科のトレーニングにおいて外来診療のスキルも欠かすことができません。後期研修2年目からは自分で外来を担当し、スタッフのサポートのもと喘息・COPD患者の管理などを行ってもらいます。

東海大学医学部内科学系 呼吸器内科

2. 専門医取得

呼吸器専門医への近道:呼吸器内科の中で腫瘍チームとそれ以外の呼吸器疾患を担当する診療チームがわかれている施設も多くなりましたが、東海大学の呼吸器内科は全呼吸器領域の疾患を担当し、呼吸器内科の専門研修を受ける医師は全員、日本呼吸器学会専門医とがん治療認定医を取得することになっています。

他の専門医資格にも対応可能:呼吸器内視鏡専門医、アレルギー専門医のいずれか、あるいはその両方を取得できるよう、必要な臨床トレーニングを提供しています。さらに感染症専門医、臨床腫瘍薬物専門医、集中治療専門医などの取得を希望する場合にも対応しています。

東海大学医学部内科学系 呼吸器内科

3. 研究:大学病院ならではの醍醐味

臨床から研究へ:研究は学位を目指す人だけのものではありません。患者さんを通じて学んだことをきちんと形にまとめ、深く考察し、多くの人に認めてもらえるような形で発表することは、臨床医としての技量を高める大事なプロセスです。大学院コースを選択しなかった方にも研究の面白さを実感してもらい、臨床研修と両立しうる研究プログラムを提供します。

さらに基礎研究へ:大学院コースを選択した方は、さらにチャレンジングなテーマでの研究が可能です。今まで研究は全くやったことがないという方にも面白さをわかってもらえるようにいろいろ工夫していますので、臨床助手コースからの途中変更も歓迎です。卒業後の国内・国外留学も含めて様々なチャンスが待っていますので、積極的に挑戦してみてください。現在は2名が理化学研究所生命医科学研究センター、東海大学マイクロナノ研究センターに国内留学し、ポストドクターとして研究を行っています。

東海大学医学部内科学系 呼吸器内科

4. キャリア形成:長いスパンでのサポート体制

一人前の呼吸器内科専門医へ:専門医や学位を取得すれば呼吸器内科医として一人前、とはなりません。3年間の後期研修でも付属病院群での研修を通じての多様な臨床経験を積み、その後さらに3年間程度をかけて、3つの経験を積んでいただきます。東海大学では後期研修が修了すれば確実に助教ポストが得られ、大学教員として身分的、経済的に安定した立場で働ける点が大きなメリットです。一方、呼吸器内科独自の取り組みとして、教育・臨床業務で忙しい中堅スタッフにも病棟業務から離れて研究に取り組むことができる定期的な研究期間が設定されており、独立した研究者としてさらなるキャリアアップが可能です。

  1. 市中病院出向で独り立ちしての実地臨床

  2. 専門領域をさらに深めるための国内留学

  3. 大学病院で後輩を指導する立場で自己の臨床・教育スキルアップ
     

国内留学としては先に述べた研究留学だけでなく、特定の疾患領域についてさらに深い経験を積むための臨床留学もあります。国立病院機構相模原病院(アレルギー)、神奈川県立循環器呼吸器病センター(間質性肺炎)への実績がありますが、その他に医薬品医療機器開発機構(PMDA)に出向して肺がん等に対する治療薬開発・承認を担う経験をしたスタッフもいます。腫瘍や感染症、集中治療に興味がある方にもトップレベルの留学先をアレンジします。後期研修修了後の3年間で様々な臨床経験を積めば、もうどこでも自信をもって呼吸器内科専門医として働けるはずです。

 

海外留学へのチャレンジ:可能ならば是非、海外への留学にもチャレンジして下さい。ハーバード大学、スタンフォード大学、コーネル大学、ピッツバーグ大学、シンシナティ大学、カリフォルニア州立大学サンディエゴ校(UCSD)、シドニー大学(オーストラリア)、ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)など多くの大学との連携があり、留学が可能です。

東海大学医学部内科学系 呼吸器内科

研究体制

1. ガイドラインを読むのではなく、つくる側になろう

臨床における「なぜ?」から始まる:臨床医にとっては目の前の患者さんを良くすることが大切で、研究は必ずしも最優先ではありません。しかし、臨床において「なぜ?」と疑問に思う気持ちをなくしてしまえば、そこで臨床医としての進歩も止まってしまいます。

ガイドラインの元になるエビデンス:臨床から得た疑問「なぜ?」に対して、仮説をたて、それを検証し、その結果を適切に解釈し、そしてそれを第三者にも納得してもらえる形で発表することは、研究者でない臨床医にとっても重要な責務です。診療ガイドラインを勉強することは当然のことですが、それよりもそのガイドラインのもとになるエビデンスを作る側になりましょう。

東海大学医学部内科学系 呼吸器内科

2. 東海大学医学部呼吸器内科の研究スタッフ

豊富な研究スタッフ:東海大学医学部呼吸器内科は臨床系雑誌の最高峰であるNew England Journal of Medicine誌や免疫学のトップジャーナルであるNature Immunology誌、Journal of Immunology誌に論文を執筆したスタッフが複数加わって研究体制も整い、免疫・アレルギーと間質性肺炎・線維化を重点研究領域としています。

 

これまでの業績:若手の先生方には日本呼吸器学会や日本アレルギー学会などの国内学会だけでなく、国際学会への参加・発表を推奨しています。それらの研究成果は、2023-2024年だけでもアレルギー領域でトップジャーナルであるAllergy誌、J Allergy Clin Immunol誌、Eur Respir J誌、およびその姉妹紙のCin Trans Allergy誌、JACI Global誌、間質性肺疾患領域ではNat Commun誌、PLoS ONE誌などでの論文発表につながりました。今後ますます若い力で研究の幅を拡げていこうとしています。

東海大学医学部内科学系 呼吸器内科

3. 2つの主要研究テーマ ~免疫・アレルギーと線維化~

免疫・アレルギー領域:2013年度から12年連続で厚生労働省・日本医療研究開発機構(AMED)の補助を受け、全国の専門施設の協力の下でアレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)に関する研究を行い、2回の全国調査や前向き症例登録研究、新しい診断基準の提唱、病態解明、新規治療の検証など国際的にも注目を集めるプロジェクトが進行しています。2022年度から4期目に入り、現在では40施設、100名を超える臨床医、医学生物学研究者、建築学や工学研究者も含めた大がかりなプロジェクトとなっています。

間質性肺炎・線維化研究:米国でassistant professorとして活躍していたスタッフや国内外への留学経験のあるスタッフを中心に基礎研究と臨床研究の両面から取り組んでいます。特に肺胞上皮細胞のバリア機能、組織修復機能に注目した研究に特色があり、東海大学マイクロナノ研究センターとの共同研究によるOrgan Chipを用いた解析を開始いたしました。臨床研究ではJIPS(Japanese Idiopathic Interstitial Pneumonias) Registryなどの全国規模の研究に参加するとともに、当科独自の多施設前向き臨床研究(TIPS)も進めております。

東海大学医学部内科学系 呼吸器内科

将来展望

1.求められている呼吸器内科医

 呼吸器内科医は救急医などに次いで、需要に比して数が少ない専門医の第3位です。これには高齢化にともない肺がん、肺炎、COPDなどの呼吸器疾患で亡くなる患者さんの数が増えていることに加え、呼吸器内科専門医の数が少ないことが大きく影響しています。神奈川県も例外ではなく、東海大学医学部付属病院の位置する湘南西部および県央・県西部は特に呼吸器内科医が不足しています。それだけにこれからも良い呼吸器内科医の育成が求められる状況は続いていくと思われます。

2.呼吸器内科医と在宅医療

 呼吸器内科医の役割に関して最近大きく変化したことの一つが、在宅医療における重要性です。従来、呼吸器内科医は病院勤務が主体で、アレルギーや睡眠医療などの分野を例外として、開業医にはどちらかといえば向かないスペシャリティと考えられていました。しかし、国民医療費の高騰に伴い厚生労働省が在宅医療促進に大きく舵をとり、これからの開業医は自宅での看取りも含めた在宅医療に積極的に関わらなければ生き残ることは難しくなります。その場合に、在宅高齢者で最も多い問題である肺炎などの感染症、がんに対する緩和医療、そして呼吸管理を含めた終末期医療ができる呼吸器内科医が果たす役割は必ずや大きくなります。当科でも在宅医療に興味を持つ若手医師が増えており、前述のように在宅医療クリニックとの連携も開始しました。

3.呼吸器内科医を目指す女性医師の方へ

もう一つ強調しておきたいこととして、呼吸器内科における女性医師の役割があります。呼吸器内科は確かに重症の患者さんを診ることも多く、決して楽な診療科ではありません。しかし、女性呼吸器内科医師も確実に増えてきています。出産・育児という時期にはフルタイムで働くことが難しくなるかもしれませんが、東海大学医学部付属病院では時短勤務制度や院内保育所などの制度が充実しており、女性医師の育児をしながらの復帰を歓迎する雰囲気が診療科・病院全体にあります。限られた時間しか勤務できなくても、私たちと一緒に長期的にご自身のキャリアアップをしていく意思のある方には大きなチャンスがある職場です。

4.これからの呼吸器内科医の皆さんへ

 東海大学医学部/付属病院の呼吸器内科には、患者さんのためにベストを尽くし、そして共に働く仲間が困っていたら自ら率先してサポートしようという気概を持ったスタッフが揃っています。これからさらに高いレベルの呼吸器内科医療を提供できるようになることを目指していますので、同じ志を持つ若手の先生方がどんどん加わってくれることを願っています。

東海大学医学部内科学系呼吸器内科集合写真
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