消化器内科
後期研修
消化器内科は消化に関わる多くの臓器を担当しているため、多種多様な疾患を対象として診療することになります。腹部症状を訴える患者さんは必ずしも消化器疾患とは限りませんので、診療に臨むにあたっては幅広い知識とその応用が必要となります。前期研修での診療経験をふまえさらなる臨床応用力を養うと共に、専門診療について当科後期研修で学んでいただきたいと考えております。内視鏡診療については、症例は豊富であり、多くの検査、治療経験を通じて、高度な知識と技術を修得することができ、安全・適切な消化器診療をどこででも行える臨床医の育成を目指しています。また、学会発表、臨床研究等も積極的に行っており、最先端の医療を学術的にも牽引できる人材の育成に注力しております。
臨床研修の特徴
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当院の診療圏は神奈川西部から静岡東部に及び広大であり、その症例数は日本でも有数です。研修ではcommon diseaseから稀有疾患まで、本来、内科臨床医として身につけてほしいレベルから高度な専門的診療まで、幅広くかつ深く修練して頂きたいと考えております。
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多くの消化器関連学会の指導施設に認定されており、指導医も豊富です。以前の専門医制度では、多くの後期研修医は在職中に内科認定医資格試験を受け、その後、受験資格を満たした段階で消化器病関連の各専門医を取得しました。2019年度からは新専門医制度に移行し、各科を研修しながらも他科にも協力いただき内視鏡研修を継続しております。また、学会活動も活発に行っておりますので常に先端の医療レベルに接することが可能です。
主要疾患診療実績
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病床数は40-50床、年間入院患者数は1,800-2,000人
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上部消化管内視鏡検査約10,000件(うちEUS242件)、上部治療内視鏡 775件、このほかERでの緊急例あり
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下部内視鏡検査 約2,500件(うちEUS18件)、下部治療内視鏡 863件
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内視鏡的粘膜下層剥離術 食道 35件、胃 110件、大腸 86件
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内視鏡的胃瘻造設術 48件、交換 38件、抜去 7件
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ダブルバルーン内視鏡検査 9件、カプセル内視鏡検査 60件
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炎症性腸疾患 入院治療 約50例
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肝疾患診療連携拠点病院および地域の基幹病院として、他の医療機関から要請のあった急性肝炎患者のほとんどを収容
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慢性肝疾患患者のフォローアップ、治療を行っており、C型慢性肝炎に対して2014年からは経口剤(直接作用型抗ウイルス薬,DAA)による治療を行い95%以上の治療成功率を収めています
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TACE 130件、RFA 40件
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胆膵疾患は総胆管結石、特に他院で治療困難であった症例の紹介が多い。また、慢性膵炎や膵炎後の膿瘍、胆道癌、膵臓癌の診断、外科や画像診断科との連携による迅速かつ集学的な治療を行っている
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ERCP 731件(うちバルーン内視鏡使用41件)、EUS 264件、EUS-FNA 130件、EUS関連治療 16件、PTBD,PTGBD 29件、ESWL 58件、消化管ステント 12件
3-5年目の到達目標
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専門医試験に必要な代表的な疾患を経験し、専門医として身につけるべき手技を習得する。
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各呼消化器疾患の診断と治療を理解し、入院および外来で実践する。
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消化器癌の標準的な診療(化学療法、放射線療法、緩和医療など)を習得する。
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消化器内視鏡検査の技術を習得する。
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画像診断の技術と知識を習得する。
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前期研修医ならびに医学部学生の指導をする。
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論文の作成(和文、英文)と学会発表(国内、海外)を行う。
臨床研修カリキュラム
チーム診療体制をとっており、消化管、肝臓、胆膵グループで診療及び教育・指導にあたっています。各チームは指導医、若手~中堅助教、後期・前期研修医、学生医師で構成され、1チーム10から15人程度の受け持ち患者で診療を行っています。後期研修では幅広い疾患の診療経験を通じて、消化器疾患の基礎から専門まで幅広く知識を習得するとともに、基本的な検査処置について習熟してもらうカリキュラムを組んでいます。配属グループ以外の診療については、週1回のカンファランスや勉強会で触れてもらうように工夫しています。基本的な内視鏡検査や緊急内視鏡処置については、配属グループと関係なく上級医の指導のもとで経験していただきます。
後期専門研修では各グループを数ヶ月単位でローテーションし、更に専門的な検査処置技術を修練し、術者として安全かつ適切な診療ができることを目標としています。
学会活動においても、関連学会や研究会などで発表および議論ができるように指導をおこない、論文としてまとめられるところまで指導します。
週間スケジュール
教育研修機関
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日本消化器病学会 認定施設
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日本肝臓学会 認定施設
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日本消化器内視鏡学会 指導施設
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日本消化管学会 認定施設
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日本胆道学会 指導施設
研修プログラム終了後の進路
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本研修を修了した者は、原則として東海大学医学部職員(助教)として採用
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大学院進学
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勤務先:東海大学医学部付属病院(伊勢原、八王子、大磯、東京)および関連する市中病院